公園の空いているベンチを見つけ腰掛ける。

座ってから、排除アートと呼ばれるような仕切りのついたものではなく、広々と座れるものだったことに気づく。久々にこのベンチに座った。何にもぶつからずにゆったりと座れる。

座ると鳩がどこからともなく集まってきた。餌をもらい慣れていてこのベンチに座った人がこぼすパンクズやもらえるもの目当てなのかと思ったら、目の前に広がる芝生になにかあるらしい。みなこちらを見ることもなく地面を突いている。

かなりの数が集まってきたのをぼんやりと眺めていたら、3歳くらいの男の子が遠くから一直線にこちらへ走ってきて鳩の群れに飛び込んだ。

鳩は餌が食べたい、こどもは鳩を追いかけたい。鳩と子供の戦いを見守る。

飛ぶのはかなりのエネルギーを使う、らしい。先日読んだ鳥類学者の本に書いてあったことを思い出す。鳩はなるべく飛びたくないようで、早歩きで走る子どもを避けていく。避けた先でまた餌を食べ始める。慣れたものだ。

逃げてきた鳩がわたしの足元近くまで寄ってきた。わたしは無害だと思われている。無害なのか、眼中にないのか。私の足元にも何かあるようで寄ってきた鳩は警戒することなく餌を突いている。ここは安全とやれやれといった風な落ち着きを醸し出しているようにも見える。

足を変に動かしたら驚くだろうと、組んだ脚を入れ替えたいのを我慢する。

追いかけて飛ぶ鳩よりも、自分の近くで夢中で餌をついている鳩の方がいまの自分には面白い。共存関係。お互い近くで好きにしているこの状況が面白く、地味な癒しをもらう。

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