柿をもらう。


目の前でもいで渡してくれた柿には小さな蟻が沢山のっかっていた、庭のホースから勢いの良い水で流れてもらう。

もらった柿をニットのカーディガンのポケットに入れて電車に乗る。重みの分だけニットが伸びて、からだに伝わる。柿をポケットに入れて、ギャラリーでのパフォーマンスを観に行く。カラダはとても豊かで、なんでか切なくて、客席ではない同じ空間にいるのが心地よかった。スペインのタブラオを思い出す。


柿をポケットに入れたまま家へと帰る。まだ硬い柿をポケットの上から触ってみる。ひんやりとしているのが熱いニット越しに伝わってくる。とんがったヘタが温まった私の手に刺さった。



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