スマホを忘れる、レモンの新芽

スマホとWi-Fiを家に忘れて駅まで来てしまう。 少し早く家を出ていたものの取りに戻る時間はなかったので、そのまま仕事先へ向かうことにする。

PASOMOはスマホの手帳型ケースの中に入れていたので、仕方なく切符を買うことにする。 料金表を確認し、券売機を使い切符を購入する。券売機から勢いよく出て来た切符は思いのほか小さかった。

スマホもインターネットもないと不安になるものだが、仕方ないと割り切ると湧き上がってくる開放感とちょっとした不安の間で揺られる。連絡手段を持たずに乗り慣れない電車に乗り見慣れない景色を見ているとリードが外れた犬のようで、このまま何処かへ行ってもいいよと言われているようにも感じてくる。

天気がとても良くて、暖かい陽射しが車内を照らす。12月だけど換気のために窓が空いていて外の風が入ってくる。それでも暖かいのでマフラーはカバンの中にしまいコートの前を開けて座席に座る。

部屋の窓辺ですくすくと育っているレモンの苗を思い出す。引越して日当たりがとても良くなった新居の窓辺で苗は日に日に小さな新芽の葉を増やしている。しっかりしていて濃い緑色だが、新芽は明るい黄緑で、若い部分だけ窓から降り注ぐ陽に透ける。

わたしも陽にあたろう、陽に当たって、新芽を出そう。

あの透ける新芽のような柔らかく強いもの。触ると落ちてしまいそうな小さな芽がわたしの首元からちょこんと出てくるイメージが頭に浮かんだ。

厚く濃い緑と透ける黄緑。

歳を重ねた部分と生まれたての部分。

老いと若さ。

陽に当たる。冬の心得。

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2021年1月8日

稽古に使っていた公共施設が緊急事態宣言の影響で20時までしか使えなくなってしまった。(使える時間は半分になっても値段はそのままらしい。) 夜に稽古予定だったのでだいぶきつい。 家の稽古は出来るだろうか。。 逆境の中で「負けない」モードになると硬く頑なになるので、柔らかく柔らかく、すり抜けるように本番を迎えたい。脱力して抜け出す護身術を思い浮かべる。

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記憶が浮かんで足が痛くなったり、足が痛くなって記憶が蘇ったりしてる。 記憶にのまれるとしんどいので、痛みと思考を観察する。

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