窓に面したカウンター席で、パソコン画面に集中していた顔を窓の向こうの空に向ける。今日は久々に天気が良くて、水彩画のような雲がゆっくりと流れている。集中して作業できたので気づけば随分と時間が経っていたらしく、空は夕方の気配を感じる柔らかな色合いだ。
カウンター席についているコンセントは蓋され利用できないようになっている、きっと感染対策であまり長居をしてほしくないということなんだろう。テーブルに置いたままだったレシートを見ると入店したのは2時間半前。カフェ利用としてこれは長いだろうか。よくわからないけど恐らく長いだろう。
そろそろ出ようかともう一度空を見上げる。面倒臭い。ほどほどに柔らかく良い感じなこの椅子から立ち上がるのも、荷物をまとめるのも家に帰るのも面倒臭い。
雲が流れている。このまま布団に包まれたい。
うちにあるお気に入りの羽毛布団が頭に浮かぶ。
お布団。お布団。お布団。
電源が切れたように、すべてが面倒臭い。
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